「歯列矯正をするとどんな効果が得られるの?」「歯列矯正は痛いって聞くけど、大丈夫なの?」と疑問や不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
歯列矯正に興味を持っていても、実際にはどれくらい効果があるのか、どんなメリットがあるのかなどがわからないと、なかなか一歩を踏み出せないものです。
そこで今回は、歯列矯正を行うメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
歯列矯正を行うメリット
歯列矯正には多くのメリットがあります。
具体的にどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。
コンプレックスから開放される
歯並びの悪さがコンプレックスとなっている人は多いでしょう。
歯並びは自分で努力してもどうにもならない部分です。ダイエットやメイクなどで改善できるわけではないため、長年悩みを抱えてしまっているかもしれません。
歯並びをすっきりと整えたいなら、やはり歯列矯正が効果的です。歯列矯正を行えば、口元のコンプレックスを解消することができます。
歯を見せて笑えるようになる
歯並びの悪さが原因で「人前で笑顔になれない」「歯を見せて笑うのが気になってしまう」と悩んでいませんか。
長年悩みを抱えている人のなかには、口を大きく開けて笑わないことがクセになっている人もいます。大きく口を開けずに話したり笑ったりするクセがつくと表情筋にも影響し、たるみや表情の乏しさにつながってしまうことも。
しかし、歯列矯正を行って歯並びがきれいになれば、人前で堂々と笑えるようになります。
笑顔に自信を持てるようになり、性格にもよい影響が出てくるかもしれません。
会話や食事、写真撮影の際も自然に振る舞うことができるようになり、何事にも意欲的に取り組めるようになったとの声が多く、明るく前向きな考え方が根付くのを期待できます。
はっきりと正しく発音できる
歯と歯の間に隙間があると空気が漏れやすくなるため、正しく発音できない場合もあります。
歯列矯正をして歯と歯の隙間をなくせば空気が漏れにくくなり、はっきり発音できるようになります。
今まで発音しにくかった言葉もすらすらいえるようになるので、会話をするのが楽しくなるでしょう。
記憶力が向上する
あまり知られていないのですが、歯並びを矯正すると記憶力アップの効果も期待できます。
歯列矯正を行って歯並びがよくなると、食べ物をよく噛めるようになります。食べ物を噛むと脳の血流がよくなって脳が活発に働き始めるため、記憶力も向上していくのです。
顎関節症を軽減できる
歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなり、食事をするたびに顎に負担がかかりやすくなります。
そのため口を開けると顎に痛みが走る、顎の関節がガコガコと鳴るなどの不調が出てくることもあるでしょう。
歯列矯正を行えば噛み合わせもよくなるため、顎関節症を軽減できる可能性があるのです。
頭痛や肩こりなどの改善を期待できる
歯並びが悪い場合は、頭がい骨のバランスが崩れがちです。
頭がい骨のバランスを保つために体のいたるところに負担がかかり、頭痛や肩こり、腰痛やめまいなどの原因となってしまうケースも少なくありません。
歯列矯正を行うことで体全体のバランスが整えば、さまざまな不調の改善が期待できます。
肥満を防止できる
肥満の原因の一つに「早食い」がありますが、この早食いも歯列矯正によって改善しやすくなります。
歯列矯正によって噛み合わせが改善されると、自然にものを噛む回数が多くなります。咀嚼回数が増えると脳の満腹中枢が刺激され、過食を防ぐことにつながるのです。
しっかりと噛めるようになることで、自然と過剰な食欲を抑えられます。
虫歯や歯周病を予防できる
歯並びが悪いと歯や歯茎に負担がかかりやすく、歯磨きもしづらくなります。
歯磨きの度にきちんと磨いているつもりでも、やはり環境が整っていないと歯の間に歯垢が残ったままの状態となり、虫歯や歯周病が発生しやすくなってしまうでしょう。反対に、歯並びが整っていれば歯ブラシも隅々まで行き渡りやすくなります。
歯列矯正で歯並びをきれいにすると、口のなかを清潔に保ちやすくなり、虫歯や歯周病対策にもつながるのです。
歯列矯正にともなうデメリット
次に歯列矯正を行うデメリットを見ていきましょう。
歯列矯正には多くのメリットがありますが、なかにはデメリットを感じる場合もあります。
メリットだけではなくデメリットも理解した上で、施術を受けるかどうかを検討してください。
治療方法によっては見た目が気になる
従来の歯列矯正は、歯の表側に矯正器具を装着する方法で行われていました。
治療が終わるまでは、違和感のある見た目に耐えなければいけません。治療をしている間は口元を隠したり、人前でなかなか笑えなかったりするケースもあるでしょう。
ただ、歯列矯正では基本的には金属の部品が使用されることがほとんどですが、最近では目立ちにくい素材を使った器具も生まれています。
目立ちにくい素材を使用した矯正器具や、歯の裏側に矯正器具を装着させる治療方法であれば、見た目を気にすることなく矯正治療を進められます。
矯正器具によっては痛みや違和感をともなう
歯列矯正は歯の位置をずらすことになるので、痛みをともなう場合があります。
また、治療中はずっと矯正器具を装着し続けないといけないので、食事や会話のたびに違和感をともなうこともあるかもしれません。
慣れれば気にならなくなるのですが、慣れるまでは大変かもしれません。ただ、どうしても痛みに耐えられない場合は歯科医師に相談すればいつでも取り外してもらえます。
痛みがある場合は無理をせず、医師と相談しながら進めていくとよいでしょう。
治療中は虫歯や歯周病のリスクがある
矯正して歯並びをよくすることで虫歯や歯周病のリスクを軽減させられますが、実は治療中に限っては虫歯や歯周病のリスクが高まる恐れがあります。
治療中は矯正器具と歯の間に汚れが付きやすくなります。装着位置によっては歯ブラシで磨いてもなかなか落とせない場合があるため、汚れが蓄積してしまうのです。
矯正器具をつけている間は、普段よりもデンタルケアに力を入れる必要があります。最近では液体タイプで口腔内を清潔にできるものもあるので、歯磨きだけではなく液体タイプも利用してみましょう。
治療期間が長くなる
歯列矯正は基本的に治療期間が長い傾向にあります。表側矯正や裏側矯正の場合は1~3年以上かかる場合も珍しくありません。
部分矯正であれば矯正する範囲が限られているので、半年程度で治療が完了する場合もありますが、全体的に矯正する場合は1年以上もの長い時間が必要になります。
治療期間中も装置の調整や、進み具合の確認などのために通院の必要があります。通院の回数やタイミングは歯科医院によっても異なりますが、どれだけの治療期間がかかるかは事前に確認しておくとよいでしょう。
歯列矯正中に気を付けるべき食べ物
歯列矯正中に食事制限が設けられているわけではありませんが、注意するべき食べ物はあります。
最後に歯列矯正中に気をつけるべき食べ物を紹介していくので、なるべく避けるように意識してみてください。
粘着性が強いガムやキャラメル
ガムやキャラメルなどは粘着性が強い食べ物です。強い粘着性により、矯正装置にひっつくと器具が外れてしまう場合があります。できるだけ粘着性の高いものは避けるようにしましょう。
骨付き肉や固めのお肉
骨付き肉や固めのお肉を食べる際は、食べ方に注意しなければいけません。
かぶりつくと装置の間に食べかすが挟まりやすくなったり、器具が外れてしまったりする場合があります。
骨付き肉や固めのお肉は、治療期間中はほぐしながら食べるように意識してください。
せんべいやクッキー
せんべいやクッキーは、食べ方に気をつければ問題なく食べられます。
食べる際は、かじらないように注意してください。せんべいやクッキーをそのままかじるのではなく、最初に小さいサイズに手で割ってから食べるのがおすすめです。
とくに固いおせんべいにかじりつくと装着器具に負担がかかって壊れてしまう恐れもあるため、要注意です。
色素の強いカレーやコーヒー
色素の強いカレーやコーヒーを食べても治療に関しては問題ありません。
ただ、カレーに含まれているスパイスやコーヒーによって、矯正装置や一部の器具を黄色または茶色に染めてしまう場合があります。治療に影響が出るわけではありませんが、少し見た目が悪くなってしまいます。
歯列矯正において、治療中の見た目が気になると不安に思っている人も少なくはありません。そのような人は矯正装置を装着している間は、できるだけ色素の強いカレーやコーヒーを避けてください。
ただ、装着器具は次の診療日に新しいものに交換します。新しいものに交換すれば黄ばみや茶渋などは目立たなくなります。また、希望をいえば診療日前に矯正器具を変えてもらうことも可能なので、カレーやコーヒーが好きな人でも安心してくださいね。
まとめ
今回は歯列矯正のメリットとデメリットについて詳しくご紹介しました。
歯列矯正は口元の印象を明るくし、美しく見せてくれます。また虫歯や歯周病、肥満の予防にもつながるメリットもあります。
デメリットを見て心配になってしまった場合には、従来の歯列矯正でなくマウスピースタイプの矯正がおすすめです。
自分のタイミングで取り外しが可能なマウスピースタイプの歯列矯正なら、従来の矯正で挙げたデメリットの多くを解消できます。食事の際に取り外せるので、後半でご紹介した「注意したい食べ物」もいつもどおり食べられますよ。
歯列矯正は「美しい口元を手に入れたい」「コンプレックスを解消したい」という気持ちを持つ人の声に応えて、日々進化しているのです。
マウスピース矯正について詳しく知りたい場合には、当サイトのほかの記事も参考にしてみてくださいね。
この記事は私が監修しました
田邊 俊成
椿クリニック 院長